
古い鍵はこう使え。

コルネの取り扱いアイテムの定番の1つ。ヨーロッパの古い鍵。
何に使うの?って店頭でもよく聞かれます。
だって「アンティークキー」とか「ヴィンテージキー」って横文字で言うと格好いいですけど、簡単に言えば「中古の鍵」ですものね。うちで使ってる鍵とどう違うのさ。
そこで終わらせたら面白くないので、ブログ、書きました。
当店で扱っている鍵は新しいもので40~50年前、古いものになると19世紀末頃のアンティークのものまでございます。
19世紀のものになると、第二次世界大戦の戦火を潜り抜けて、100年以上の時を経て今ここに「ある」ものです。
目の前にたどり着くまで、その鍵にはどんなドラマがあったのでしょうか?
目を閉じて想像してみてください。
一体どこに鍵をかけていたものだろう……。玄関かな?納戸かな。それともクローゼット??家族の誰が持っていたものだろう……。おじいちゃんかな?お父さんかな。それとも初めて鍵を持たせてもらった女の子が嬉しくて大切にポケットの中に忍ばせていただもしれません。秘めた恋のロマンチックな逢瀬にこっそり手から手へ渡されたこともあるかも。
……色々妄想すると、どんどん空想が広がっていきます。
直接自分には関係がない、ヨーロッパの名もない歴史にも残らない一コマに思いを馳せるなんて意味がないと思われるかもしれません。でも慌ただしい現代だからこそ、こういうゆっくりとした時間が気持ちのリフレッシュになったりします。一見無駄のように見えることの中に、豊かに暮らすためのヒントは詰まっているのではないでしょうか。
そしてヨーロッパの古い鍵は
「愛」 「富」 「健康」
の象徴だそうです。他にも
「希望への道を開く」「心の扉を開く」
という意味もございます。いいことずくめですね。
おまけに、ヨーロッパでは男性が「僕の鍵を預かってください」とプロポーズで使うこともあるそうです。
……錆びたただの古い鍵がなんだか輝いて見えてきませんか。
あとは実際にどうやって使うかですね(笑)
というわけで今回は使用例をご紹介したいと思います。

画像は実際に僕が使用しているものです。
僕は家の鍵や車の鍵などをまとめたものに、その中に1つフランスの古い鍵を紛れ込ませています。こうやって古い鍵がいつ混ざるだけで何故か、素敵な雰囲気見えませんか?不思議と「MIWA」のロゴもカッコよく見えてきます(←気のせいですかね)。


半年ぐらい、この状態で取り付けているのですが、鍵が黒っぽく美しく輝いているのがわかりますでしょうか?
この鍵、最初はもっとサビサビで赤茶色で光沢も全くない感じだったんですよ。
秘密は、鍵の材質にあります。
現代の鍵は通常素材に真鍮を使っています。これは何故かというと、金属としては柔らかい部類に入る真鍮はミゾ掘り加工の際に楽だからです。
そして、古い鍵は全てというわけではありませんが、その多くは素材に「鉄」を使っています。
現代の真鍮製の鍵と合わせて持つことで、真鍮より硬い鉄は大きく削られずに徐々にゆっくり時間をかけて磨かれていきます。結果、残った錆なども無くなり、程よく光沢が出来るぐらいに磨かれて、美しく変化していきます。その様はまさに「逆エイジング」と呼んでよいと思います。
革や金属製品など使い込むことによって「味出し」「エイジング」という言葉で頻繁に語られますが、
使い込むことによって、自分より年上の古い鍵がどんどん美しく磨かれていくというこのマジック。
まさにアメージングという言葉がぴったりです。
僕が取り付けているのは、7センチぐらいのミドルサイズの鍵ですが、古い鍵のなかには最大15センチ程度の巨大なものも存在します。
そういった10センチオーバーの鍵の使い方としては下の画像の使い方もオススメです。

こちらは鍵自体をキーホルダーとして、2重リングを数個取り付けています。これぐらいのサイズがあるとこのブログのトップの画像のように手で握って鍵をブンブン振り回すこともできます。特に意味はないんですけど楽しいですよね!
最後に。
こちらの鍵はヨーロッパからお店にやって来た時は、真っ赤に錆が付いた状態です。1本1本、雰囲気を壊さない程度に研磨して、錆を落として、手が汚れない程度の状態にして販売しております。
そして、パッと見は似ているんですけど、1つ1つよく見てみるとそれぞれに個性が結構あるんです。
ヘッド部分に数字やアルファベットが刻印されていたり、そもそもヘッドの形状が違ったり。歯部分もヘッドに対して平行に付いているものばかりじゃなくて少し角度が付けられていたり、長い年月で欠けてしまったり。それが逆に愛らしかったり。軸が太い男らしいものがあったり、細身のやつはちょっと華奢でフェミニン?1つとして同じものがないのも魅力ですよね。
カップルで1本ずつ、大切な方へのプレゼントにもオススメです。
