
モルヴァンが描くどこまでも明るい太陽のような世界。

1845年発足のチーズブランド「メールピコン」のキーホルダー。
どうもです。松田タクヤです。
今回はキーホルダーとフランスを代表するポスター作家「Herve Morgan/エルヴェ・モルヴァン」の紹介を。
フランスの形に切り取られたキーホルダーにモルヴァンが描いたポスターの女の子が。裏面にはワインボトルのフレンチキーホルダーのイラストが入ります。
このフランスの形のキーホルダーは汎用的なタイプのようで他メーカーの販促物でクリアタイプなどもよく見かけます。シールのくすみっぷりもなんか可愛いですね。

Herve Morvan/エルヴェ・モルヴァン(1917~1980)
エルヴェ・モルヴァンは60年代に活躍したフランスのポスター作家でレイモン・サヴィニャック、ベルナール・ヴィルモとともに「広告(レクラム)」と呼ばれていた、最も尊敬されるポスター作家の1人です。
風刺の色合いが濃いサヴィニャックの作風と比べると、どこまでも可愛く楽しく牧歌的。さんさんと照り付ける太陽のようなカラフルでメランコリーな世界が展開されています。皮肉さを抑えたキュートなユーモアもモルヴァンの持ち味。モルヴァンはナチス占領下の暗い時代が終わり、世の中が太陽と青空を求めていた時代を反映した時代が求めた作家でした。
映画のポスターが初仕事だったモルヴァン。手描きのポスターの全盛期は60年代で70年代以降、少しづつ流行遅れのものになっていきます。後期はサヴィニャックと同じく政治運動や団体運動のポスターの仕事が増えていきました。
今回紹介しているキーホルダー以外にも今もヴィンテージの世界ではモルヴァンの描いたポスターやビュバー(インクの吸取り紙)を見かける機会が頻繁にあります。「ザ・60年代」の色彩豊かなモルヴァンの作品は慌ただしい情報過多の時代に生きる私たちに、「ほっ」と一息、深呼吸をさせてくれる穏やかで温かい魅力に満ちています。

参考文献:「フランスポスターデザインの巨匠 エルヴェ・モルヴァン」
2010年刊、ヴェロニク・モルヴァン著、永井敦子他訳、ピエ・ブックス発行
というわけで今回は以上です。最後まで読んで下さった皆様、ありがとうございました。